KAAT×地点『忘れる日本人』

これまで見た地点はほぼ海外戯曲か海外小説をベースにした作品だったが、今回は日本の新進作家の新作の上演だ。地点にかかるとなんでも切り刻んでミンチにされて元の作品の形はかなりとらえにくくなるものなので、ひょっとして戯曲ではストレートな会話劇だったりするのかと思ったが、どうやら舞台でみ...

地点+空間現代『ミステリヤ・ブッフ』

どんな材料を使ってもみじん切りにして餃子になってしまうのが地点の芝居だ。今回はその餃子に生演奏がついている。 もともと地点の芝居は観念性はほとんどなくて、ほぼ身体性で構成されているのだけど、音楽が加わったことで、さらに際立った。途中、音楽的な興奮がとても高まる箇所があり、ちょっと感...

地点『光のない。』

ハプニング的にみにいくことにした舞台。その分情報が足りてなくて(いつものことだが)、昨年みた『光のない。(プロローグ?)』と混同して、その別バージョンだと思っていた。テーマとスタイルは共通しているが別のテキストだった。 覚悟していたが、「難解」という言葉に尽きる。プロローグ?もそう...

地点『悪霊』

つい最近『悪霊』を読んだタイミングで今回の上演。グッドタイミングというしかない。 長大な小説だし、地点なので、ストレートな演劇化ではない。舞台には雪が降っていて、池に見立てられたとおぼしき中央の沈み込んだ穴のまわりを安部聡子さんがハイペースでジョギングしているシーンからはじまってま...

地点『あたしちゃん、行く先を言って -- 太田省吾全テクストより --』

構成、演出:三浦基/吉祥寺シアター/指定席3500円/2010-01-23 19:30/★ 出演:安部聡子、石田大、大庭祐介、窪田史恵、小林洋平、谷弘恵 今年はじめて、すなわち2010年代はじめての観劇。 わかりやすさが最優先される昨今の風潮にあらがうように独自の表現をとぎすませている京...

地点『桜の園』

作:アントン・チェーホフ(神西清訳)、演出:三浦基/吉祥寺シアター/指定席(『三人姉妹』との)セット券6500円/2008-10-18 19:30/★★ 出演:安部聡子、岩澤侑生子、谷弘恵、石田大、小林洋平、大庭祐介 先週に続いての地点のチェーホフ。先週の『三人姉妹』はもともとストーリ...

地点『三人姉妹』

作:アントン・チェーホフ(神西清訳)、演出:三浦基/吉祥寺シアター/指定席(『桜の園』との)セット券6500円/2008-10-11 19:30/★★★ 出演:小林洋平、谷弘恵、安部聡子、窪田史恵、山村麻由美、砂尾連理、石田大、岡嶋秀昭、大庭祐介 地点をみるのは2度目、3年9ヶ月ぶりだ...

地点『雌鳥の中のナイフ』

作:デイヴィッド・ハロワー(訳:谷岡健彦)、演出:三浦基/アトリエ春風舎/自2500円/2005-01-01 19:00/★★ 出演:安部聡子、大庭祐介、小林洋平 不思議な抑揚と間で語られるセリフ。言葉を異化させて、内容でなく言葉そのものに注意を向けさせようとしているのだ。 登場人物は3...