野矢茂樹『哲学の謎』

哲学の謎 (講談社現代新書)

世界は謎に満ちている。でもぼくたちはそれらの謎にみじんも気がつかずに日々を過ごしている。そのこと自体に大きな謎が含まれているというのに。

二人の人物の対話形式で進行していき特に難しい言葉も使われていないので、すらすら読めてしまう。意識の外に実在の世界は果たしてあるのか?世界は今からちょうど5分前に創造された?時間はほんとうに流れているの?枯れ葉が落ちるのと人が腕をあげることのちがいはなんだろう?どの謎も解決するわけではなく、より深く根源的な謎へとつながってゆく。そこから先は読者にゆだねられているのだ。

★★★