out of noise

たまには音楽のことでも書こう。

とはいえ、音楽について書くのは難しい。作編曲も演奏もできないので、このコード進行は独特だとか、このヴァイオリンは超絶的な技巧だね、なんていったりできないし、比喩で語れるほど表現力が豊かじゃない。語れることといえば、好き嫌いと、即物的な形容詞を並べることくらいだろうか。あと、高いか安いかもいえる。

さて、3月4日に発売された坂本龍一の5年ぶりのニューアルバム “out of noise”。まず、好きか嫌いかでいえば大好き。ミニマル、クラシカル、実験的、内省的、癒し系……。以上。まあぼくのつたない説明より視聴した方が手っ取り早いわけで。

これだけではなんなので、5つ以上もある販売形態の中からどれを選べばいいかということについて書こう。まず、二枚組のアナログ盤、パッケージレスCD、フルアートワークCDと3種類が一般のショップで販売されていて(アナログは18日から)、さらにMP3形式と、CD以上のビットレートの非圧縮形式がcommonsmartからダウンロード販売されている。これに加えて、iTunes Storeなどの一般の音楽配信サイトでも販売されている。

ちょっとわかりやすく表でまとめてみよう。

種別 音楽の形式 おまけ 価格
アナログ盤 アナログ - 3990円
パッケージレスCD CD(16bit 44kHz) -(CDとケースとペラ1枚) 1980円
フルアートワークCD CD(16bit 44kHz) 56p豪華ブックレット 4500円
配信AIFF形式 AIFF形式(24bit 48kHz) DRMフリー JPGファイル2個と、坂本龍一自身による音声解説AIFFファイル 4000円
配信MP3形式 MP3(320kbps) DRMフリー - 1980円
iTunes Store AAC(128kbps) DRM付き - 1800円

どの形態で買うべきか決められるようにチャートをつくってみた。

1 ふだん主にアナログプレイヤーで音楽をきいている

YES → アナログ盤

NO → 2へ

2 CDとそれ以上の音質のメディアを聞きわけられる自信がある?

YES → 3へ

NO → 4へ

3 PCまたはiPod(等の携帯プレイヤー)を本格的なオーディオ装置につないで聞ける環境がある

YES → 配信AIFF形式

NO → 4へ

4 ふだん主にPCやiPod等の携帯プレイヤーで音楽をきいている

YES → 6へ

NO → 5へ

5 音楽だけじゃさみしい。何か読んだり見たりするものがついていてほしい。そのためなら2520円の追加出費くらい惜しくない。

YES → フルアートワークCD

NO → パッケージレスCD

6 音質は特に気にしないし、DRMがついていて視聴できる環境が制限されていてもいい。できるだけ安い方がいい。

YES → iTunes Store

NO → 7へ

7 やはりCDなみの音質はほしい。あるいは、ふだん聞いている音質はそこそこでよくても、原本としてCD並の音質のメディアを確保しておきたい

YES → 5へ

NO → 配信MP3形式

ちなみに、ぼくはこのチャートと無関係に配信AIFF形式の形態で購入した。音質というより、非圧縮形式の音楽ファイルにむずむずと好奇心がわいてしまったのだ。さらに、おまけがついているということで、その好奇心による選択を正当化できたのだが、実際そのおまけというのは、坂本龍一が寒そうなところにでかけて撮った写真2枚と、販売サイトでも聞くことができる楽曲の解説をひとつのファイルにまとめたもの-—こちらも非圧縮AIFF形式(16bit 44kHz)だけど別に高音質である必要はない。おまけによる正当化はできなくて、残るは音質だけが頼りだが、それもぼくのMacBookの再生環境では心許ない。やはり、MP3かパッケージレスCDを買うべきだったかもしれない。その反省の元に、上記のチャートを作成したというわけだ。

せっかくなので、ファイルサイズについて書いておこう。

AIFF形式のファイル12個でサイズは1050MB。約1GBだ。少しでもディスク領域を節約するため、Apple Lossless形式に変換したら678MBになった。Losslessという言葉からわかるようにMP3やAACなどの非可逆圧縮形式とちがって、寸分のくるいなく元の形式に戻せる形式だ。約2/3のサイズに圧縮できたことになる。このサイズならさらに変換して非可逆圧縮形式にしなくて iPod にいれて持ち歩くこともできる。

上記の販売サイトを訪れると音楽が流れるが、その曲はアルバムに含まれていない。実はその曲が一番ききたかったのだが。