乗り物と様相論理

現代の政治的立場はおおよそ次の三幅対であらわされるという。 コミュニタリアニズム(communitarianism) 個人の自由より国、民族等共同体の伝統的な価値観を重視する、共同体あっての個人という考え方。 リベラリズム(liberalism) 立場の入替可能性(ぼくはきみだったかもし...

目を閉じてものを見る

何のまえぶれもなく目を閉じて、自分のまわりのものを想像してみる。 たとえば、飲みかけのペットボトルのラベル。自分のシャツのストライプ。日向と日陰の境目の線。今座っているところは階段の何段目なのだろうかということ。とぎれとぎれに聞こえる声の主との距離とネクタイの柄。いるのかいないのか...

「見殺し」 vs 「黙殺」

「見殺し」と「黙殺」、対決したらどちらが強いだろうか。見ているだけで殺すか、黙りこくって殺すか。甲乙つけがたい。 実は、「黙殺」というのは、「殺」という文字が入っているけど、誰かが死ぬとは限らなくて、ただ無視するだけだった。人が死ぬ「見殺し」の方が強そうだ。 しかし、「黙殺」は、「見...

ルサンチマン~テロリズムの誕生

朝は仲間由紀恵に起こしてもらっている。 正確には「声に」というべきで、時間になると携帯電話のアラーム機能が「おはようございます」と仲間由紀恵の声で叫ぶのだ。もちろんそれは、一種の苦行といっていい朝の不本意な目覚めを少しでも楽しくしようという、創意工夫の賜なのだけど、結局のところ焼け...

二人のアンティゴネ

このところアンティゴネという女性の名前をよく耳にする。アイドルか何かかと思ったら、そうではなく、古代ギリシアの有名な悲劇のタイトルであり、そのヒロインの名前でもあるらしい。 興味をもち、ストーリーをネットで調べていたら、台本が二種類存在することがわかった。ひとつはソフォクレス作のオ...

ざわざわよ永遠に

はじめて芝居をみたとき、舞台の上で雨がふっていると思ってたら、いつのまにか外でも雨がふっていた。その雨はとても心地よくて、ぼくは雨と同時にその街も好きになった。 それから足繁くその街に通うようになり、ある日その街に関する映画をみることになった。その映画の最後で街を去る主人公の少女は...

犯罪の養殖

「選択肢を保護しよう!! 著作権法改正でCDの輸入が規制される?実態を知るためのシンポジウム」というイベントの実況録音をきいていて、ピーター・バラカン氏の次の言葉が印象的だった。 レコード会社が今購買者を犯罪者の予備軍というふうに扱っている。人を犯罪者として扱うと、確実にその人に犯罪...

メッセージ

結局、何もしないいいわけのために、どこにも届かない言葉を投げているような気がしてきた。それで、ユニセフに寄付した。言葉が届かなくても、お金は届くだろう。...

切断(Iさんへ)

自らを「俗世間代表(笑)」と書かれていらっしゃいますが、書かれている内容を拝見する限りでは「俗世間」という無色のものではなくある特定の立場にたたれていらっしゃるようにみえます。もちろんそれが悪いということはありません。ただ、ご自分が色のついていない中立の場所にいるのではないという...

わからない

小泉氏の靖国参拝が憲法違反であるという判決がくだった。それについて小泉氏は「何で憲法違反か分かりませんね。」とか「何で外交に支障があるのか。日本人が靖国神社に参拝してどうしていけないのか。わかりません」と「わからない」をくりかえしているようだ。 それをいうなら、なぜ靖国神社に「戦没...

四月の魚

今日は帝都高速度交通営団が東京地下鉄株式会社(東京メトロ)になった記念日であるとともに四月の魚の日でもあるわけだが、自己欺瞞のかたまりのぼくがこれ以上嘘を積み重ねる必要もないだろう。というわけでほんとうのことを書く。 昼休みは季候がよければ食事のあとひとりでその辺をぶらぶらすること...

口パク

「内田樹の研究室」がblog化されたのでリンクをはりやすくなった。 内田樹の研究室:国益と君が代 自分に敬意を払わない人間を処罰する人間は、なぜ敬意を払われないのかについて省察することを拒絶した人間である。 ふつう、そのような人間に敬意を払う人はいない。 国家に敬意を払わない人間を処罰す...

寄生

テロリズムというのはたちの悪い寄生生物だ。テロリストは単なる宿主に過ぎないので、殺しても、寄生生物は死なない。分裂して周囲の人間の中に入り込み増殖する。寄生されるのは、テロリズムに敵対する側も同様で、シャロンやブッシュのやっていることが一見テロリズムと区別がつきにくいのは、そのせ...

進行形

またひとつ年をとっちまった。 そういえば、横浜市長が青少年の特段の理由のない夜間外出は親から罰金を徴収する条例を作ったらどうかという発言をしたとき、それはどう考えてもおかしいだろうと当然のように思ったのだが、勤務先での何気ない会話で、ぼくより年下の人が親としての立場からこの条例に賛...

CDソフトケース

秩序を愛するタイプの人間なのだが、少しでも混沌にゆだねてしまうともう際限なく身も心もまかせてしまうという悪い癖をもっている。というより表に出るのはほとんど混沌の部分なのでよく誤解をされる。CDなんかも数枚ラックに収まらなくなってしまっただけでもうどうでもよくなってしまって、ケース...

物欲の三月

三月に入ってめっきり寒くなった。春のようだった二月と入れ替わりで今年は三月がもっとも寒い月になるのかもしれない。頭の方はまだそれについていけず花が咲いたような状態で全く使い物にならない。現実をみないようにするため、物欲の世界に閉じこもりつづけている。 というわけで買ってしまったキー...

誰も幸せにしない技術

2月18日に発売されたキセルのニューアルバム「窓に地球」はCDではなくCCCDだった。サイトで視聴すると魅力的な曲ばかりなのだが、とても残念だ。 不正コピー防止というコンセプトはもちろん理解できるのだが、そのために不正でないコピーまで制限するのはどう考えてもいきすぎだし、さらにその...

優先順位

「やらなくてはいけないこと」をやる気力がでるまで待っていると、いつまでたっても何もできないので、とりあえず「やるべきこと」からかたづけることにした。 というわけで、このサイトでもあんなことやこんなことをやってみた。 ロゴをポップな感じにしてみた。 一部のエントリーが IE で見えなくなるのを...

違法な記憶

bleu blanc blog : Mémoire illégaleより Yuseiという人が「著作権が侵害されるという理由でP2Pソフトを違法にするなら、FTPやメールクライアントも禁止すべきだ」といったのに対し、marmoute という人が「紙、鉛筆、洞窟(訳注:多分壁画のことをいっている)、カメラ、すべての...

Zeitgeist2003

Googleではほぼ毎月、その月多く検索されたキーワードや人名をZeitgeist(「時代精神」という意味)と題して公開している。その2003年全体のまとめが公開されているようだ。 2003 Year-End Google Zeitgeist 日本での人気キーワードをみてみると、1位「ガンダム」、2位「阪神タイガース」、3位「マトリッ...