猫のホテル『けんか哀歌』

作・演出:千葉雅子/下北沢本多劇場/指定席4600円/2008-05-04 19:00/★★★

出演:中村まこと、森田ガンツ、市川しんぺー、佐藤真弓、池田鉄洋、村上航、いけだしん、岩本靖輝、菅原永二、前田悟

劇団昭和とかに改名してもいいんじゃないかと思うくらい昭和にこだわり続けている猫のホテルだが、今回は戦後間もないアメリカ占領時代の日本映画界が舞台。検閲による制約の中映画を撮り続ける男たち。左右から押し寄せる政治の波の中で、彼らは否応なしに労働争議に巻き込まれてゆく。団結そして裏切り……。

ほぼ一年ぶりの本公演にして二年ぶりの新作。まさに満を持したという感じで、今回は傑作だ。いつもながら、笑いは別としてストーリーそのものには新奇性はなく紋切り型なのだけど、シリアスな場面と笑いのコンビネーションがひたすらうまいのだ。次の本公演が来年の夏というのがとても残念。