青年団リンク キュイ『きれいごと、なきごと、ねごと、』

きれいごと、なきごと、ねごと、

まったく予備知識なしにみたが、女子高生三姉妹の物語で、しかも演じるのが男性で、かつ4人で役を回していくというアクロバティックな舞台。男性役は当然女性が演じている。

長女愛雨はクールで落ち着いた性格、次女白雨は、溺愛されて育ち異性にモテる三女翠雨にただならぬ嫉妬を抱き、その三女はメンタルが弱く爆食いと嘔吐を繰り返している。三者三様の嘆きの独白が繰り広げられるのだが、実はこれは同じ一つの声だということが、今回の役を非属人化した演出でわかった気がする。女子高生あるいは女性という器に押し込められていることの嘆きなのだ。

物語があまり動かず観念が飛び交う、演出がとても難しい戯曲だと思う。三姉妹を4人の男性が演じることで、より観客としてこの世界を十分楽しむことができるようになったかといわれると、難しいものがある。

その上で演出上の工夫がいろいろよかった。ドイツ語を話す犬と、女声の溝口くん、それぞれを人工音声でやるのはいい。ヘンデルをBGMにしたラストのドタバタシーンは、高揚感があった。

作:綾門優季、演出:櫻井美穂/アトリエ春風舎/自由席2500円/2018-04-07 18:00/★★

出演:尾崎宇内、折舘早紀、小寺悠介、寺田凜、中藤奨、大橋悠太