お布団の哲学『想像を絶する』

対話篇/想像を絶する

二演目のダブルヘッダーの一本目。ひとり芝居だ。

二部構成。第一部では男性、第二部では女性が語り手で、本来二人の役者で上縁するところをあえて女性ひとりでやっている。しかも戯曲の言葉を細かく区切って暫定的な意味を浮上させつつ、次の言葉をつなげることによりそれを裏切っていくという興味深い演出。この演出自体が独立したエンターテインメントになっていた。

テンションをたくみにきりかえてすべてひとりで演じきった鶴田理紗さんがとにかくすばらしい。最大限の拍手をおくりたい。

戯曲としても、第一部と第二部がお互いに入れ子になっている感じとか、よくできているんだけど、それをああいう形で舞台に再現した演出は特筆すべきだ。綾門優季さん、得地弘基さん、おふたりの仕事は見ているけど、やはりこのふたりで組むとほかにはない特別な反応がおきる気がする。

まさに「想像を絶する」舞台だった。

戯曲はnoteで連載中。

作:綾門優季、演出:得地弘基/三鷹SCOOL/二演目チケット4000円/2018-11-10 15:00/★★★

出演:鶴田理紗