拙者ムニエル『リッチマン』

拙者ムニエル『リッチマン』

作・演出:村上大樹/吉祥寺シアター/指定席3500円/2009-06-13 19:00/★★★

出演:加藤啓、千代田信一、伊藤修子、成田さほ子、山岸拓生、寺部智英、石川ユリコ、林屋聖子、溜口佑太朗、村上大樹 、町田カナ、建みさと

どうやら劇団というものは同じポジションに留まり続けることは不可能で、よりメジャーで一般受けする方向に進んで、チケットの値段を徐々につりあげてゆくしかないらしい。それができなければ、求心力が失われてしまうようなのだ。

拙者ムニエルも結成15周年ということだが、明らかに前者の方向には進んでない。前回公演から10ヶ月、間があき、次回の公演予定もちらしに記載されていなかったのは、まさに求心力の低下を示しているのだろう。

だが、今回の公演はかなりおもしろかった。3話からなるオムニバス。

第1話。35歳にもなって演劇の夢を追いかけている男と、その夢をサポートするためにパートで家計を支える妻、そして子供の3人家族のもとに見ず知らずの老女が3億円をあげるといってくるが、妻は妙なプライドからそれを拒否する。

第2話。ロト6で2億円あてた男。彼は銀行から、元銀行員の人の心がよめるATMロボットミズホ君を与えられる。

そして第3話。道に落ちていた毒入りアンパンを食べたせいで、余命1週間を宣告された男。彼の最後の夢—-演劇の舞台に立つこと—-をかなえるため仲間たちを含めて準備を進めるが……。

笑いのパワーはぜんぜん落ちてない。またみたい。