青年団『S高原から』

作・演出:平田オリザ/駒場アゴラ劇場/自由席1500円/1999-08-14 19:00?/★★★

出演:村木 宏太郎、月村丹生、福士史麻、成川知也、川隅奈保子、岩田奈保子、大竹直、伊藤季久男、兵藤公美、端田新菜、奈倉和未、島田曜蔵、中井英紀、藤原桜子、織田陶子、藤木卓

本公演でなく、若手主体の公演だ。作品は過去青年団の本公演で演じられた平田オリザ作のもの。演出も平田オリザだ。若手主体ということを感じさせない、ぶれのない安定した舞台だった。青年団の芝居の場合、役者の個性―うまいへたはあると思うが―は他の劇団と比べて大きな意味をもたないということを実感した。今回もそうだが、青年団では再演の場合、オリジナルで男性だった役が女性になったり、その逆のケースがよくある。せりふは細かな言葉遣いを除いて変わっていないのに、違和感はまったくない。考えてみると、平田作品の登場人物には、性の入れ替えがきく人が多い気がする。逆にいうと、他の演劇が性にとらわれすぎているということがいえるかもしれない。ストーリーは、高原のサナトリウムを舞台に描く青春群像といったところだろうか。サナトリウムといえば結核だが、現代の話なので、別の病気のようだ。感染の危険はなく、慢性的なもので、安静が必要。死にいたることもあるが、それは1年以上前にわかる。そんな病気だ。何だろう。