はえぎわ『ガラパコスパコス 進化してんのかしてないのか』

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作・演出:ノゾエ征爾/こまばアゴラ劇場/自由席3000円/2010-12-29 14:00/★

出演:坂口辰平、井内ミワク、鳥島明、滝寛式、川上友里、踊り子あり、笠木泉、町田水城、ノゾエ征爾、星野美穂、富川一人、鈴真紀史、山口航太、竹口龍茶、金珠代

対人恐怖気味の孤独な青年が老人ホームを抜け出した認知症の老女と出会い、こっそり自宅に連れ帰って、一緒に暮らしはじめるが、それが兄や職場の人間に気がつかれて、一悶着二悶着起き……というストーリーがおとぎ話として描かれる。その経験を通じて青年が成長するビルドゥングスロマンにもなっている。

老化という現象を進化になぞらえたり、人間の生と死の循環を比喩的に表現したりとか、かなり壮大な意図が感じられる作品というのはわかったのだが、ぼくはどうもしっくりこなくてその中にうまく入り込むことができなかった。この舞台のせいというわけではなく、小劇場演劇特有のノリみたいなものに、実はぼくが適応してないせいなのかもしれない。

それでも、床や壁一面にはられた黒板にチョークで言葉やアイテムを書き込んでいく演出はすばらしいと思った。何もないところが部屋になり、トイレができ、ドアが開く。あと久々に舞台上でみた笠木泉さんが10年前にやっていたような役をいまもできているということが結構嬉しい驚きだった。