『かもめ』

作:チェーホフ、演出:岩松了/シアターコクーン/A席5500円/1999-10-09 19:00?/★★

出演:樋口可南子、岡本健一、串田和美、干ほさち、有川博、伊佐山ひろ子、岩松了、田口浩正、吉見一豊、吉添文子、松下泰知、玉置孝匡、山崎絵里

いわずと知れたチェーホフ作。今回は岩松了翻訳・演出だ。ちなみに、もともと戯曲を読んでストーリーは知ってた。ロシアの戯曲は、同じ人を何通りもの呼び方で呼びかけるのでわけわからなくなってしまう。しかも、翻訳が直訳調で情緒が感じられず、読むんじゃなかったと後悔しきりだった。それはそれとして、「かもめ」は、悲劇的な結末であるにも関わらず、戯曲には四幕物の喜劇と記してある。今回の岩松了演出は、この喜劇という部分を生かしたものになるとのことだった。帝政ロシア末期の話なので、現代日本ではかなり実感の乏しい話であるのはまちがいないが、伏線のはり方、人物描写、せりふ運びなど、さすが第一級の作品だなと思った。でも、岩松了にはやはり自作で、あのうねうねとしたせりふを小劇場で聞いてみたい。