ナイロン100℃『百年の秘密』

百年の秘密

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/本多劇場/指定席6900円/2012-04-28 18:00/★★★

出演:犬山イヌコ、峯村リエ、萩原聖人、山西惇、大倉孝二、近藤フク、田島ゆみか、廣川三憲、松永玲子、長田奈麻、みのすけ、村岡希美、藤田秀世、水野小諭、猪股三四郎、小園茉奈、安澤千草、伊与勢我無、木乃江祐希

名作『わが闇』に通じるようなナイロン謹製のストレートプレイ。同級生の二人の女性ティルダとコナの12歳から78歳までの生涯と家族を、(ヴォネガットの『スローターハウス5』みたいにシャフルされた)年代記風に描いている。

可能性と喜びに満ちあふれた少女時代、青年期から幻滅と失望にさいなまれる中年期以降の対比というストーリー展開は鉄壁。犬山イヌコ、峯村リエ主演二人の演技は文句のつけようもなかった。

以降ネタバレ

無理筋で文句をつけるとすれば、個人的に銃の音が苦手なこともあって、銃による物語の幕引きはやめるべきだと常々主張しているのだが、今回は特に強引さが否めない。代わりにもうひとつ「秘密」を用意すべきだった。たとえば、失踪していたティルダがその間していたことが何かとか、そのあたりの秘密が最後に解き明かされて、それが少し首をひねるような不可解なことだといい、考えていくうちにじわじわ感動が広がっていくような。

劇中で何度か歌われた樹の歌がいつまでも耳に残った。