ペンギンプルペイルパイルズ

靴

再演はスキップしたのでなんと2年半ぶりのペンギン観劇。

左右の足のサイズが3cm違って、それぞれ大きい方の足が右と左で逆なため靴を買いにいくときだけ一緒に行動する女の子真知と理々子が主軸の物語。高校生の二人が真知の父親と三人で遠くの靴屋を探すプチ冒険譚と、40年前の凄惨な殺人事件、その事件を追いかけている学生、その学生がよくみる巨人の夢、その夢の登場人物の男性が真知の婚約者として家に訪ねてくるちょっと未来、真知と理々子が迷い込む冥界の入口、理々子の小学生時代に言えなかったホントウのこと、など時空をまたにかけてシュールにポップに舞台は展開してゆく。まさにペンギンらしい真骨頂の舞台。ただ欲を言うなら、もっとシュールにポップにはじけてもいい。最後小さくまとめすぎた感はある。

リーフレットに主宰の倉持裕さんが劇団外でもこういう芝居をやりたいとは思ってはいるのだが、大衆性が求められる商業的な公演では受け入れられまいと思って諦めていると書いている(大意)。確かにその通りで、だからぼくは劇団外の倉持さんの芝居を見にいくのはやめてしまった。もう少し観客を信頼してほしいというのはやはり安易なのだろう。倉持さんがこう思い込むからには相応の出来事があったはずだ。でも、古くからのファンとしてはもっとこういう芝居を期待したいし、そろそろ自分の書きたいものを書いてもいい時期なのではないだろうか。

作・演出:倉持裕/ザ・スズナリ/指定席4500円/2014-10-12 15:00/★★★

出演:小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡、近藤フク、吉川純広、愛名ミラ、大和田健介、金澤美穂、山田真歩