ペンギンプルペイルパイルズ『ドリルの上の兄妹』

作・演出:倉持裕/シアタートップス/指定席3000円/2003-03-29 19:00/★★★

出演:小林高鹿、朴本早紀子、玉置孝匡、安本美華、笠木泉、山本大介、中山祐一朗

難解な芝居を上演する劇団とだけきいて、観にいった。徹夜して全然眠っていないので、最後まで見られるか不安だった。だが、その心配はまったく杞憂だった。一般の民間の地下でドリルを組み立てなければならないというシュールなシチュエーション。さらにその上、落ち目になってきたタレントの話題づくりなどがからんでくる。道具立てだけも退屈しないが、さらに登場人物たちも個性豊かでおもしろく、役者もうまい。特に「妹」役の朴本早紀子とその失踪した恋人の兄役の山本大介がよかった。今まで見てきた芝居でたとえると、雰囲気はちょっと前の遊園地再生事業団、台詞回しにちょっと岩松了の匂い、笑いの質は、シュールさがナイロン100℃にも似ているがもっと抑制されていて、台詞の隙間からしみ出してくるような笑いだ。難解なのは劇団名だけだった。