拙者ムニエル『HYPER DX寿姫』

作:村上大樹,江本純子,千葉雅子,ケラリーノ・サンドロヴィッチ,構成・演出:村上大樹/スペース・ゼロ/指定席3500円/2003-11-29 19:00/★

出演:澤田育子、加藤啓、市川訓睦、千代田信一、伊藤修子、成田さほ子、山岸拓生、寺部智英、石川ユリコ、村上大樹、千葉雅子、中村まこと、市川しんぺー、江本純子、町田マリー、柿丸美智恵

3時間10分は長い、長すぎる。観てないが1999年に上演された『DX寿姫』に、毛皮族の江本純子、猫のホテルの千葉雅子、ナイロン100℃のケラリーノ・サンドロヴィッチが書き下ろしたショートコントのようなものを追加して再構成したもの。試みは悪くないかもしれないけど、やはり三人の書いた部分は余計で、劇としてのまとまりを欠く方向に働いてしまったような気がする。

もともと拙者ムニエルの舞台は、一見まとまりがないショートコントがその場その場でおもしろくて、それが実はストーリーとしてちゃんとつながっていてさらにお得という感じなので、まとまりがないことそのものが悪いわけではないのだが、今回は作家として参加した人それぞれの笑いの質がちがうので、その切り替えができなかった。特に、江本純子作の部分は、ほかと乗りがちがうというか、乗っていないと楽しめないようなところがあり(毛皮族をみたことがないというせいが大きいのかもしれないが)、完全に浮いていた気がする。

結果として、長い分だけ散漫になってしまった。HYPER DXではなくDXくらいでいいのではないか。