青年団『暗愚小傳』

作・演出:平田オリザ/駒場アゴラ劇場/指定席3500円/2004-07-03 19:00/★★★

出演:山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、足立誠、山村崇子、永井秀樹、辻美奈子、秋山建一、川隅奈保子、端田新菜、福士史麻、古屋隆太

怒濤の演劇月間7月の第一弾。高村光太郎・智恵子夫妻の生涯に題材をとりつつ、史実は無視して、永井荷風や宮沢賢治など自由に登場人物をちりばめた作品だ。平田オリザの作品は、通常一幕一場で、舞台上の時間と実時間が一致しているのだけど、この作品は約十年ほど間隔があいた四場から構成されている。といっても、幕間などはなく、移り変わりは連続的だ。登場人物たちも外見はまったく歳をとらない。精神の病、死、戦争などさまざまな出来事がおきても、笑いとともに「暗愚」な人々の日常は変わらず続いてゆく。

いつにもましておかしみのある作品だった。おまけに、笛の音をきれいに出すには下唇をつきだして力をいれればいいという豆知識まで教えてもらった。今度試してみよう。