マッコウクジラ

Q

つい、先ごろ鹿児島の大浦町でマッコウクジラが浜に打ち上げられる騒動がありました。ところで、マッコウクジラの名前の由来はなんでしょう?

A

マッコウクジラの腸内には竜涎香という香料のもとができることがあるようなのです。これを火の中にいれると抹香に似た香りがするので、「抹香鯨」とよばれるようになりました。竜のよだれとはなかなか風雅な名前の香りですが、できた場所を考えると、胸いっぱい吸い込んでいいものかどうか考えてしまいますね。

さてマッコウクジラは英語では“sperm whale”というそうです。つまり「精液クジラ」。ずいぶんな名前ですけど、頭の部分からとれる油の質感が白くてどろどろしていて精液に似ているところから名づけられました。鯨油を目当てにクジラを乱獲したアメリカ式捕鯨を象徴するような名前です。

ちなみに学名は、“Physeter macrocephalus”。意味は「大頭の噴き出し屋」です。こちらの方がずっとほほえましくていいですね。

ついでにちょっと生態を調べてみました。クジラ類で唯一ハーレムを作るとのこと。大浦町で打ち上げられたのもハーレムの一団だったのかもしれません。集団でいるときには、coda と呼ばれる独特のクリック音を出すそうです。それが彼らの言葉のようなものなんでしょうね。大浦町でも coda が聞こえたのでしょうか?