せむしの小馬

Q

せむしの子馬って知りませんか?童話らしいということまではわかったのですが、なんかあんまりな題です。どんなストーリーなのでしょう?

A

本の題名や出版社については回答をいただいたのですが、絶版になっているようで手に入りませんでした。ライフワークにしようかと思ってもいましたが、地元の図書館で探してみたところあっさり見つかりました。

まず、作者はピョートル・パーヴロウィチ・エルショーフ(П.П.Εршов)です。ロシアの詩人で1815年に生まれ1869年に死んだそうです。「せむしの小馬」(Конек‐гороунок)は1834年、サンクト・ペテルブルク大学在学中の作品です。それ以降の作品は「せむしの小馬」ほどの評判は呼ばなかったとのことです。

ひらがなが多いので読みにくかったですが、なんとか読み終わりました。あらすじはこうです。

主人公はばかといわれるイワン。農民の父親と兄二人と暮らしている。ある日、畑が荒らされると事件が起こり、兄弟3人交代で番をすることになる。イワンは偶然犯人の白い馬を捕らえる。馬は逃がしてくれたら3頭馬を産んであげるという条件を出し、イワンはそれをききいれる。そのうち2頭は美しい金色のたてがみの馬。残りの1頭は、人の言葉を話せ、背中にこぶが2つあり、耳が大きな小馬(子馬ではなく小馬つまりポニーです)。隠しておいたのが兄2人に見つかってしまい、都に売りにいくことになる。その途中、イワンは、小馬の忠告をきかず、美しく光る火の鳥の羽を拾ってしまう。都につくと、馬が評判になり、結局王様に買い取られる。馬たちはイワンのいうことしかきかないので、結局イワンも宮殿で働くことになる。

拾ってしまった火の鳥の羽がきっかけとなって、イワンは王からいくつかミッションを命じられる。第一のミッションは、火の鳥をつかまえること。第二のミッションは、海にすむ王女(月の娘で太陽の妹)をつかまえること。小馬の助けを借りてイワンはどちらも見事にやりとげる。王様はつかまえてきた王女に結婚を申し込む。王女の条件は海の底にある指輪をとってくること。それが第三のミッションになる。王女から、ついでに母である月と兄である太陽にことづけを伝えて欲しいと頼まれる。

まず海にたどりつくと、不思議なばけもののくじらが橋にされている。どうすればこの罰から解放されるか太陽に聞いてきてほしいと、くじらから頼まれる。太陽の城まで行き、ことづけを伝え、くじらが解放されるためには飲み込んだ船を吐き出せばいいと教わる。その通りに実行し、くじらは解放される。くじらは、お礼に、部下たちを動員して指輪を探し出してくれる。指輪を持ち帰ったものの、王女はまだ王との結婚に難色を示し、今度は王が若返ることを条件にする。そのためには沸騰したミルクのなべ、お湯のなべ、水のなべに順番に入ればよいという。王さまはまずイワンに試させる。小馬がまじないのようなことをしてから、順番になべに入ると、イワンは美しい若者に変わってしまった。王さまも同じくやってみようとするが、小馬のまじないがなかったので死んでしまう。王女は、イワンと結婚してこの国を治めると宣言する。みんなも納得する。

何か、すごい話です。イワンは美容整形されてしまうし、王さまはだまされて殺されてしまうし。こうして実際に読むことができてとてもよかったです。質問に答えてくれたみなさんどうもありがとうございました。