スタニスワフ・レム(沼野充義他訳)『完全な真空』

架空の本の書評集。ひとつだけ例外的に実在する本の書評が含まれていて、それはほかでもないこの『完全な真空』の書評だ。その自虐的な手厳しさは別として、この中で本書の内容が的確に紹介されている。ひとつ謎なのが、『テンポの問題』の書評についての言及で、それは本書には収録されてない。本書の...

スタニスワフ・レム(沼野充義訳)『ソラリス』

従来の訳はソ連時代のロシア語訳からの重訳だったので、検閲や自粛により省略された箇所が多々あったようだが、こちらはオリジナルのポーランド語版からの翻訳で完全版だ。 映画はタルコフスキー版、ソダーバーグ版両方みていたが、 原作小説を読むのははじめて。読み終えてみて、三者三様という感じだっ...