『11月を生きのびる理由』 by トニー・ホーグランド

“November” で検索してヒットした詩。こういうネガティブな怒りは確かにぼくの中にもあるものだが、この詩の書き手のようにそれを強さにかえることはぼくにはできそうにない。せめて翻訳してみる。

11月は鉄道事故のようだ
寒気でできた機関車が
カナダから突進してきて
百万本の樹に激突する
葉を燃やし、森に火をつける

空はどんよりと冷たく霞む
だが、ダウンタウンのワッフルハウスにはスープスペシャルがある
美術館ではジャック・パーソン ショーが上映され
たくさんのまばゆい赤の建物

美しいドナのところに行ってもいい
サンタフェからきたキックボクシングの女王
折り畳みベッドの上を転げ回る

おれが部屋の中で
ひとりぼっちでくたばっていると
思っているやつらがいる

憎しみがつまった銃と酒瓶で自殺だと
ドアには鍵をかけ、口をだらしなく開き
切れた電話みたいになって

おれはお返しにやつらを憎む
ロバみたいにまぬけな魂の底から
憎しみはおれを強くする
生きのびてやつらを負かしてやる

おれの幸福はやつらを痛めつけるだろう
おれは喜びをナイフみたいに
自分の心臓に突き刺す 何度も何度も

そして無理に楽しいことを考えようとする
11月のこんな生活がすきだ
おれは列車のように走る
深く深く
敵どもの土地へと