テントウムシのフューネラルマーチ

夜遅く帰りついてみると、ドアの縁のところに釘の頭のようなものがくっついていた。なんだろうと思ってドアを開いて裏側から見るとつぶれたテントウムシ。ドアが開いたときにたまたま羽を休めて、閉まったときに犠牲になってしまったのだろう。幸運を呼ぶ虫のはずなのに、なんてついてないやつなんだ。なんだかその不運がべったりとぼくにこびりついて容易にぬぐい落とせないような気がしてくる。ああ、あたまを駈けめぐるあのメロディー……

♪あなたとわたしがヨミの国