ナイロン100℃『神様とその他の変種』

ナイロン100℃『神様とその他の変種』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/下北沢本多劇場/指定席6800円/2009-04-18 19:00/★★★

出演:峯村リエ、山内圭哉、犬山イヌコ、山崎一、水野美紀、みのすけ、大倉孝二、長田奈麻、植木夏十、藤田秀世、廣川三憲、猪岐英人、白石遥

いじめが原因で登校拒否のケンタロウ(11歳)は、窓からみえる動物園の動物たちと、会話をしながら過ごしている。そんな彼を一生懸命守ろうとする家族たち。母がだす黄色いカップの紅茶を飲んだ客たちは次々と音信不通になってゆく。そして、新しくやってきた記憶喪失の家庭教師サクライと狂言まわしの神様を自称するホームレス。ある日、ケンタロウは木刀で同級生をたたいてケガをさせてしまい、同級生の両親がやってくる。彼らはサクライのことをしっていた……。

3時間超の長尺。ナンセンスなドタバタ、ダークなシリアスコメディー、ハートウォーミングなファミリードラマの間を揺れ動いて、どれかひとつの方向で固まりそうになると、それを裏切って別の側面が顔を出すという感じで、それで劇としての統一感が失われているといううらみはあるものの、全然あきさせなかった。ラストもこれまでの流れをすべて裏切るような唐突さで、全体としてスキゾチックな後味を残す不思議な作品だった。