食餌療法

Q

糖尿病などで、食事の内容を制限することで、平常な生活を過ごそうとする行為を、食餌療法と表記します。何故、食餌と表記するのですか?患者が食べるものなんて、あんなの「餌」だからさ、なんていう医者のおごり的なかんじをもってしまいます。食事療法という、表記の方がよい印象を持ちます。(ひろさんからの質問)

A

漢和辞典によると、「餌」はもともと「やわらかく蒸したもち」という意味だったそうです。また「えさ」という意味のほかにも「食べ物の総称」という意味ももっています。「食餌」もこれとほぼ同じで、「食べ物の総称」を指します。同じ「餌」を使った熟語で「薬餌」にも特に「えさ」という意味はないですしね。

「食事」には「食べ物」という意味もありますが、むしろ「食べる行為」を指すことの方が多いです。そういう点からすると、食べる量や種類を制限する療法は、「食餌療法」という方がより正確であるといえます。

ですが、医学の専門書などを見てみたところ、「食餌療法」、「食事療法」、表記はどちらでもいいようです。確かに「餌」の字を見ていい感じをもつ人は少ないでしょうから、少なくと患者さん向けの資料には「食事療法」と書いたほうがいいですね。

なお、英語では単に”diet”または”diet therapy”というようです。”diet”はもともとギリシャ語で生活様式つまりライフスタイルを意味する言葉だったようで、それが英語に入って「日常の(飲)食物」という意味になり、特に病院や修道院での日々の規定の食事を指していました。そこから「食事療法」という意味が生まれたようです。